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きょう整形外科・神経外科クリニック腰椎変性すべり症に対する体に優しい手術

腰椎変性すべり症に対する体に優しい手術

腰椎変性すべり症に対する体に優しい手術

はじめに
腰椎変性すべり症とは?
(図1:準備中)のように腰椎がずれて椎間孔や脊柱管が狭くなり、神経が刺激されて腰痛・臀部痛・大腿部痛・下腿部痛、しびれが出て、車の運転で座り続けることができない、立ちっぱなしができない、歩き続けると休憩したくなるなどの症状が出る腰の病気です。

後方椎体間固定術(図2:準備中)
従来からの治療法で、腰の後ろの筋肉をはがして骨と靱帯を削り、椎間板をお掃除して椎間板の代わりに骨を詰めた箱(ケージといいます)を入れ、ねじで止める手術でPLIF(図3準備中)並びにTLIF(図4:準備中)という術式です。後方からだけで手術が完結する反面、筋肉をはがすダメージ、椎間関節をつぶすダメージ、神経の圧迫を直接取るのでその際に神経を痛めるリスク、硬膜外静脈叢からの出血のリスク、神経をよけてケージを入れるので小さいケージしか入らないデメリットなどがあります。そして、変性側弯症や後弯変形に対しては整復効果が芳しくない例があります。
現在、主にL5/S1(5番目の腰椎と1番目の仙椎の間)レベルの固定に対して、PLIFやTLIFを行っています。当院では出来る限り椎間関節を温存したまま、かつ、片側だけの展開でのMIS-PLIF(最小侵襲PLIF)、MIS-TLIF(最小侵襲TLIF)を行っています。

前方後方同時固定術
腰椎変性すべり症、腰椎分離すべり症、腰椎不安定症、腰椎変性側弯症、腰椎後弯変形症、骨粗鬆性椎体骨折などに適応があります。 当院では主に大腰筋の筋肉前方を分けてアプローチする前方固定術(図5:準備中)をおこなっています。このアプローチは大腰筋より前のスペースからアプローチする前方固定術より、大血管損傷、尿管損傷、腸管損傷の可能性が低くなると考えられるためです。おなかの横から椎間板をお掃除してケージを入れるこの方法は、後方からのPLIF、TLIFより大きなケージを入れることができます。後方の椎間関節も完全に温存できた上に大きなケージが入るので安定性もよく、骨癒合までの期間も短縮可能です。また、大きなケージを入れることで脊柱管も椎間孔も拡がり神経の圧迫が減ります。(間接除圧といいます)直接神経を触らないので神経損傷のリスクが減ります。
さらには、横から椎間板の周り(繊維輪といいます)をはがすことにより、前後左右のずれを大きく戻すことが可能で変性側弯症や後弯変形に対しても整復効果を期待できます。なお、後方からネジを挿入固定しますが、筋肉をはがさず固定する経皮的椎弓根スクリュー固定をおこなっています。
※神経圧迫の程度により後方から直接除圧の追加が必要な場合があります。

内視鏡を用いた前方後方同時固定術
当院では前述の前方後方同時固定術をさらに低侵襲化した内視鏡を用いた前方後方同時固定術も施行しています。まず、手術前に3D MRI/CT合成画像(図6:準備中)を作成し、手術のシュミレーションを行います。このシステムは院長がコニカミノルタ メディカルソリューションズ (2017年6月まではパナソニック メディカルソリューションズ)と脊椎手術に応用するべく共同開発したシステムです。手術は薬機法で承認済みの専用器具と全内視鏡を用いて行います。国内外の脊椎専門家が手術見学に来られています。なお、経皮的椎弓根スクリュー固定をおこなう点と神経圧迫の程度により後方から直接除圧の追加が必要な場合がある点は内視鏡を用いない場合と同様です。皮膚切開、筋肉への侵襲、腰神経叢への侵襲などは内視鏡を用いない場合より減らすことが出来ます。いずれにしても、個々の症例により適応は異なります。患者さん個人個人の状態を判断して手術方法を提案することになります。