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きょう整形外科・神経外科クリニック腰椎椎間板ヘルニアに対する体に優しい手術

腰椎椎間板ヘルニアに対する体に優しい手術

まず、腰椎椎間板ヘルニアの診断はMRIにより確定しますので、MRIも取らずにあなたはヘルニアだと断言できません。
診察やレントゲンではヘルニアの疑いが高いということまでしか言えません。そして、ヘルニアだから必ず症状が出るわけでなく、また、症状が出たヘルニアも約9割の方は手術なしで治癒します。ヘルニアは手術なしで治るほうが圧倒的に多いのです。
ただ、世の中にあまりにヘルニア患者が多いので、手術を受ける人も多いのです。
手術が必要な人を放置すると一生、麻痺や後遺症が残る場合がありますので、専門医による適切な判断が必要です。
それでは腰椎椎間板ヘルニアに対する体に優しい手術をご紹介します。

 

PELD(経皮的内視鏡下腰椎椎間板ヘルニア摘出術)とは

背中をメスで切開し脊椎の骨を削って取出す一般的な手術とは違い、非常に細かい管をヘルニアの部位に入れて内視鏡で治療します。そのため脊椎の骨と筋肉に対する影響はごくわずかであり、手術後の早期回復が期待でき、短期間で日常生活に復帰可能な治療法です。

 

治療方法

当院では麻酔はマスク麻酔と局所麻酔の併用を基本としております。手術部位の皮膚に局所麻酔をした後、約8mmの切開を行い、内視鏡・微細手術器具・ラジオ波治療器等を使用して突出したヘルニアを除去し下肢の痛みを感じる神経を圧迫から解放します。また、線維輪(椎間板周囲の痛みを感じるところ)に分布した腰痛を起こす神経も遮断して腰の痛みも治療します。
神経に接するヘルニアを内視鏡で拡大して見ながら治療を行います。内視鏡の外筒で神経を保護することが可能な安全性にも配慮した方法です。

PELD手術前後
PELD手術前後
PELD手術方法 図
ストルツ社製 PELD器械ストルツ社製 PELD器械

 

PELDの長所

  • 患者さんにより日帰り手術が可能です。
  • 正常な組織にほとんど影響しないので神経癒着のような後遺症が発生する可能性が減少します。 
  • 手術部位の傷跡が微細です。患者さんによってはほとんど見えません。
  • レーザーのみの治療法と違い、内視鏡で確実に見て神経に接するヘルニアの処置が可能な方法です。 

 

Disc-FXとは

PELDと違い、内視鏡で見ながら摘出するわけではありませんが、内視鏡で見ることと摘出することを交互に行うことで適切な部位にコントロール可能です。
また、わずか3mmの切開であり、局所麻酔ですので日帰り手術です。
PELDとPN法の中間的手術といえるでしょう。保険請求はPN法と同じ金額ですので、患者さんにとれば安価で最新の治療が受けられるということになります。)

DiscFX

よくある質問

MEDとどう違うのですか?

MEDも確かに内視鏡手術ですが、従来のLOVE法と言われる手術と進入経路は大差ありません。同じ進入経路でヘルニアを取るのを、拡大鏡(ルーペ)で拡大して手術をするのか、顕微鏡で拡大して手術をするのか、MED用の内視鏡で拡大して手術をするのかということになります。
これらの方法は、ヘルニア、傷んだ神経、およびその周囲の組織を同時にみて手術をします。黄色靭帯という神経の保護の役目の靭帯も切除するので癒着を起こす場合があります。黄色靭帯はそれ自体が肥厚して神経を押さない限り切除しないほうが好ましいのです。PELDではわずか8mmの切開で内視鏡を挿入し、ターゲットであるヘルニアだけを基本的に見て手術を行うので、黄色靭帯や周囲の組織への影響はほとんどありません。

PLDD(レーザーによる減圧術)とどう違うのですか?

PLDDは椎間板を直接見ていません。そのため、効果と安全性という面で問題提起されている手術方法です。保険診療も認められていません。問題となる神経を押しているヘルニアを内視鏡で見ずにレントゲン透視のみを頼りに行います。よって、神経に近づきすぎて神経を傷めて後遺症を起こしたという報告があります。逆に神経を押しているヘルニアから遠ざかり、椎間板の健康な部分をレーザーで傷めて、肝心のヘルニアは処置できていないという例もあります。過去に自費でPLDDを受けたが治らないと相談を受け、治療を行った例がしばしばあります。PLDDは推奨できる治療法ではありません。レーザーはとても良い医療器具と考えますが、レーザーも行うのであれば内視鏡下で見て行うべきです。ただ、日本では、まだ、レーザー自体が保険診療で認められていない為、当院では内視鏡下でもレーザーは使いません。ラジオ波を内視鏡下で用いて治療いたします。

PN法(経皮髄核摘出術)とどう違うのですか?

PN法は医学史的にPELDの原点ともいえる土方先生の開発した方法です。当時としては素晴らしい発想でしたが、土方先生の時代には、まだ現在のような内視鏡機器がなかったのです。
それでこの方法はレーザー同様、レントゲン透視を頼りに手術を行います。ヘルニアから遠い部分を主に摘出するので効果が不十分なことが多いということになります。手術の難易度はPELDと異なり非常に簡単なので現在も行っている施設があるかも知れませんが、過去の方法といえます。(PN法ができるからPELDがうまくできるというものではありませんので、ご注意ください。)
当院ではこのPN法を発展させたDisc-Fxによる手術を受けることができます。PELDと同様に最新手術であるDisc-FxではPN法と違い、適切な位置にもっていけるだけでなく、ラジオ波により椎間板由来の腰痛に対する治療も可能です。PELDとDisc-Fxは症状により行い分けています。

一度、手術を受けています。手術を受けていれば再手術で内視鏡は無理だと他院で説明を受けました。本当に無理なのでしょうか?

決して無理ではありません。PELDはMEDと違い、従来法と違う進入経路で内視鏡手術を行います。適応は診察して判断を致しますが、例えば私が執刀した患者さんの中には50年前に大きな手術をした部位と同じ部位へ従来と違う進入経路であるPELDを行い、治癒された方もいます。他院では内視鏡は無理だから大きな手術で癒着をはがして再手術と言われていても、当院では適応があれば、PELDでのとても体に優しい手術で治癒を図れます。