「医療法人 慶文会」開設の御挨拶
きょう整形外科・神経外科クリニックは2020年4月1日に「医療法人 慶文会」きょう整形外科・神経外科クリニックとして新たな出発を致しました。
きょう整形外科・神経外科クリニックは2013年12月3日に開院し、2014年3月1日に5床の病床認可を受けて脊椎疾患の専門医療を行うクリニックとして本格的にスタートしました。その後、特例診療所認可(尼崎市初)を受け3床増床し現在の8床となりました。入院病床わずか8床のコンパクトなクリニックですが手術室(クラス1000クリーンルーム)、MRI、CT、デキサ(骨密度装置)などを備え、この6年間の脊椎手術実績は1477件になりました。
先日、出版された週刊朝日MOOK「手術件数でわかるいい病院2020」には首・腰の手術で関西33位にランクインされており、腰椎椎間板ヘルニアに限れば兵庫県2位、腰椎手術全体では兵庫県5位の手術件数でした。大病院志向の中、入院病床が8床しかない当院が大病院と肩を並べているこの数字は当院の最小侵襲手術にご理解、ご満足頂き、当院で手術を受けられた患者さんが、お知り合いを紹介して頂けるケースが年々増えているからこその数字だと思っております。また、“患者さん自身が医師”というケースが多いのも当院の特徴です。患者さん自身が病院長であったり、脊椎外科医であったりをはじめ、いろいろな科の多くの先生方の手術を執刀して参りました。“患者さんが医師のご家族”というのも多く、医学部の外科系教授のご家族、麻酔科指導医のご家族、脊椎脊髄病外科指導医の奥様の手術など、手術を良く分かっている専門家に当院の専門的医療水準の高さを認めて頂き、大病院でなく当院での手術を選択して頂いているのは本当にうれしく思っております。
この間、もちろん私1人で診療にあたることは不可能で、外来は整形外科医14名、手術は脊椎脊髄病外科指導医3名を含む5名の医師でチーム医療を行って来ました。また麻酔科医は現職大学教授をはじめとする先生方に交代制で来て頂き、診療にあたってきました。
小規模ながら大病院並みの手術件数に達し、運営・管理の充実が課題となっており、この度、医療法人として新たな出発をすることになりました。
2020年4月1日からの診療体制は高水準医師の確保を掲げ、脊椎専門外来は私と他院で脊椎センター長もされている非常勤の脊椎脊髄病外科指導医の2名で診療、月2回の肩関節外来は他院で部長をされている専門医による診療、月1回の膝関節外来は国際学会での多数の講演をされ第一線で活躍されている先生による診療を行います。
さて、当院が専門手術を行なっている脊椎分野は非常に難しい分野です。①神経の環境を良くして神経症状の回復を目指す、②脊椎の土台をしっかりバランスよく保つようにするということを考える手術が多いのですが、これが一筋縄ではいきません。手術をした全ての人が十分満足するということは決してない分野です。だからこそたゆまない努力が必要です。当院は臨床開発にも取り組んで参りました。パナソニックやコニカミノルタと3D MRI/CT合成画像の開発も進めました。現在は数社と新しい手術システムの開発を取り組んでいます。 また、学術活動として、国際学会での招待講演、ライブサージャリーなどを重ね、脊椎専門医の手術見学や一定期間の研修も受け入れて来ました。この6年で海外は6か国の先生方、国内の先生方を合わせると数十名の研修を受け入れてきました。
外来・手術などの臨床業務をはじめ、開発、学術活動、運営管理となかなかの激務です。一生懸命やって疲れ果てても、「〇〇さんがここで手術をして良くなったから勧められて来ました」という言葉を聞く度に、まだまだ自分は頑張らないといけない、疲れたと言っている場合ではないと思っております。当院はまだまだ発展途上です。日々改善、日々進歩を心掛け、前を向いて、今後も精進していく所存ですので、今後とも、宜しくお願い申し上げます。
最後に、2020年は新型コロナウイルス感染症で未曽有の危機的社会状況となっており、当院も目に見えない敵に戦々恐々としながら対策を重ねる日々です。
皆様におかれましても十分健康に留意され、この危機を乗り切られることを切に願っております。
令和2年4月吉日 医療法人 慶文会
理事長 姜 良勲